独特なフリマアプリ戦術に対向するには?

 フリマアプリにもリサイクルショップのようなテーマ性を持ったものや、トレジャーファクトリーのように独自の世界観をもったものが沢山あります。これはより限られたジャンルの人に対して効率良く商品を捌くことができ、特にニッチな層に対して絶大な訴求性を誇ります。特にアニマートやオタマートといったオタク向けのフリマアプリはこれまでリサイクルショップなどに出せなかった商品を手軽に、かつしっかりとその価値が反映された価格で売れるということから、TwitterなどのSNSで今もっとも話題を呼んでいるアプリと言っても過言ではないでしょう。そうしたマニアックジャンル型のフリマアプリについて本稿では紹介していきます。

A2mato(アニマート)

 アニメや同人専門のフリマアプリで、アニメグッズ、同人誌、マンガ、ゲーム、コスプレ用品、フィギュア、カード、アイドルグッズ、自作イラストなどを多く取り扱っているフリマアプリになります。クリエイターに寄り添う姿勢が評価され、今ではかなりのカンイン登録数を増やしている点と、Twitterユーザーが多いというところを目論んでからTwitterAPIを利用したソーシャルログインにより会員登録の手間を大幅に省いているという点も賢いと言えます。

  • 運営会社 セブンバイツ株式会社
  • ターゲット アニメや同人誌好き
  • 提供開始 2014年1月9日
  • 決済代行 コンビニ決済、クレジットカード決済、銀行(ATM)決済
  • 出品者の手数料 5.25% 取引成立時のみ(現在は無料)
  • 購入者の手数料 5.25%(現在は無料)
  • 会員登録方法 Facebook、Twitterアカウント、メールアドレス
  • 対応端末 iPhone
  • 価格設定 300円〜10万円

セルバイ

 釣具や釣り関連商品などのニッチジャンルに絞って売買できる釣り人専用のフリマアプリです。ロッド、ルアー、ウェアー、ボート用品などの商品カテゴリを用意しており、釣りアイドルやプロアングラーとの釣行イベントなどの売買も行われています。ここまでジャンルを絞ったサービスは意外にまだ存在していないため、コアな需要をかっさらっているフリマアプリだと言えます。

  • 運営会社 株式会社ガプスモバイル
  • ターゲット 釣り人
  • 提供開始 2013年9月25日
  • 決済代行 クレジットカード決済、コンビニ決済
  • 出品者の手数料 10% ※取引成立時のみ
  • 購入者の手数料 クレジットカード0円
  • 会員登録方法 メールアドレス
  • 対応端末 iPhone / Android
  • 価格設定 100円〜10万円

otamart(オタマート)

 モバツイなどを展開する株式会社jig.jpが3月24日に提供を始めたアニメやマンガ、ゲームなどの商品に特化したフリマアプリがこの「otamart(オタマート)」です。リリース記念として、販売手数料無料やポイントプレゼントなどのキャンペーンを行い、現在も出品手数料は無料で利用できるようになっています。こちらはゲーミフィケーションを利用した手法を大胆に取り入れており、ポイント制度によって上手いこと消費者と出品者が利用したくなるように作られています。またオタクグッズを気軽に売買できるフリマアプリであることからツイッターなどと連携した使われ方をされており、収納場所がパンパンで手放すことにした書籍やグッズ、コレクション要素の高い商品で重複したアイテムなどを、スマホで撮影して、商品の説明と価格を入力するだけで簡単に出品することが出来るため、バイラルマーケティングによって利用者を激増させています。特にその魅力の一つが商品の探しやすさで、基本となるタイムライン画面ではカテゴリごとに商品を見ることが可能で、かつグッズ、フィギュア、カード、書籍、ゲーム、DVD/Blu-ray、CD、コスプレ衣装などジャンル別に見やすく配置されています。勿論欲しい商品が出品されているかは、キーワードやタグから検索が可能で、詳細検索も細かいところまで設定することが出来ます。購入者はクレジットカード決済の場合に100円の手数料が発生するものの、安心して取引が行えるよう、売買が成立した後の商品代金の支払いは「otamart」が仲介するというエスクローサービスを取り入れており、「商品が届かない」といったトラブルを防ぐことが出来ます。またユーザー登録で人気イラストレーター・pako氏制作のイメージキャラクター「小田まこ」待受け画像プレゼントなどのいったとりあえず登録させてみる系の戦術も用いています。

  • 運営会社 株式会社jig.jp
  • ターゲット オタク
  • 提供開始 2014年3月24日
  • 決済代行 クレジットカード決済、コンビニ決済
  • 出品者の手数料 10% ※取引成立時のみ
  • 購入者の手数料 クレジットカード100円
  • 対応端末 iPhone / Android

ママモール

 こちらはキッズ・ベビー商品に特化した「子育て中の母親」に焦点を絞り込んだフリマアプリになっています。リテラシーが低い層でも扱えるようにUIの簡易化を徹底していることと、元々フリマアプリ大手である「ショッピーズ」を立ち上げた井上氏が事業顧問を務めているため、その戦略は折り紙つきだと言わざるを得ないでしょう。またアプリ内通貨である「ママコイン」によってユーザーやフレンドを紹介することでポイントがたまる制度や、売上を交換したりといったことまでが出来るようになっています。

  • 運営会社 株式会社デジタルアイデンティティ
  • ターゲット 子育て中の母親
  • 提供開始 2013年8月21日
  • 決済代行 コンビニ決済、クレジットカード決済、銀行(ATM)決済
  • 出品者の手数料 10%(+振込手数料315円)※取引成立時のみ
  • 購入者の手数料 100円〜300円(クレジットカード決済の場合10,001円以上は商品代金の4%)
  • 会員登録方法 メールアドレス、Facebook、twitter、mixiアカウント
  • 対応端末 iPhone / Android
  • 価格設定 300円〜5万円

Bijoux de Marché(ビジュードマルシェ)

 プリクラ機のトップシェアを誇るフリューが主催しているフリマアプリがこのビジュードマルシェです。これはプリクラ機などで培われた女性への訴求性を活かすためか、女性をターゲットにしていて、洋服や小物などのファッション関連アイテムに特化したものとなっています。また雑誌「mer」などで話題の読者モデルである「田中里奈」をイメージモデルに起用するなどといったイメージ戦略だけでなく、実際にそのような人気読者モデルが私物を出品しているということから、雑誌などを良く読む層に強くリーチしていると言えます。また価格設定の均一化を測っており、500円・1000円・3000円・5000円などのキリの言い値段で売れる「JUST PRICE」や、一律50%OFFのタイムセールを毎日開催する「TIME SALE」、全身コーディネートされた商品をそのまま購入できる「COORDINATE」などその女性に対する知識を活かした、ユニークなコーナーを展開しています。

  • 運営会社 フリュー株式会社
  • ターゲット 女性
  • 提供開始 2014年10月27日
  • 決済代行 コンビニ決済、クレジットカード決済
  • 出品者の手数料 無料
  • 購入者の手数料 コンビニ支払い、クレジットカード支払い 200円(現在無料)
  • 会員登録方法 Facebook、Twitterアカウント、メールアドレス
  • 対応端末 iPhone / Android
  • 価格設定 500円〜10万円

それぞれのアプリの生き残り戦略

 マルチジャンルを取り扱い、様々な商品に出会えるフリマアプリが話題な一方で、専門的な商品を探した時の検索性の高さを有するジャンル特定型のフリマアプリも一定数のファンを獲得しています。これは、前者が大手や資本を多く持つものによっての寡占が起こってしまう事や、結果として資金戦争化、広報戦争化していくことに対して、後者であれば資本が少なく、広報に割くお金が限られていたとしても、口コミに乗ってその一ジャンルのコアなファンのバイラルマーケティングによって有名アプリ化していけます。また、前者のオールジャンル型と後者のマニアジャンル型とでは、実のところ競合がほとんど起こらず、色々な物を探すときはオールジャンル型、自分の好きなモノを探すときはマニアジャンル型を用いるなどと、むしろ後者の方が有利な気すらしてきます。(勿論総人口のい規模の面では劣りますが)特に自分の好きなコトやものに対してお金を使う人にリーチ出来るため、収益も直接的にあげられるといっていいでしょう。これに関してはフリマアプリだけでなく、リサイクルショップにも利用できる戦術かもしれません。特定のジャンルに絞ってフロア作りをした方が、その層に向けてより濃いお店を小さいスペースで提供できますし、そのものを買うためにわざわざ足を運んでくれる常連コアユーザーなどを捕まえることも出来るでしょう。

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