スマートフォンの普及が進む中で、スマホで商品を撮影して簡単に出品ができる「フリマアプリ」の利用者がどんどん拡大しています。これらは2012年後半から続々と登場していたのですが、2014年には楽天やLINEが参入したことによって、更なる勢いを増しています。この余波はリサイクルショップ業界にも確実に出そうではあるのですが、実際にこうしたフリマアプリがどうしたものなのか? 実際にフリマアプリ内で自店舗の商品を高く捌くことは出来ないのかについて紹介していきます。
フリマアプリの魅力とは、やはりスマホで撮影してすぐに出品できるという手軽さと、売り買いのスームズさとそれを支えるシンプルな仕組み、始めての人でもすぐに使うことが出来る簡単なUIに、決済代行(エスクローサービス)による安心な取引といった要素があることです。また出品頻度も非常に高く毎分のように出品が行われ、ほしい商品が出品されていないかをこまめにチェックしたくなる魅力なども併せ持っていることも特色の一つです。さらには、個人間取引は消費税の控除額が非常に大きいことから、今後の増税によって更に割安感が増し、実店舗よりも利用されるようになる可能性を秘めているのです。
アプリによっては店舗での出品や参加ができないものもあるため、これに関しては個人名で古物商の免許を取り、出品を行う必要が出てくるかと思います。フリマのアプリというと全体的に格安で叩き売られているような印象があるかもしれませんが、実際は逆で、商品によっては非常に高く取引されているため、ブランド名さえ覚えて、古着屋を数店舗回れば、フリマアプリで10万近くの収益をすぐに導き出すことも可能になっています。もし、ショップとして参加して販売したいと思っているのであれば、一度サイトの規約を確認してみましょう。
個人間取引というとネットオークションを想像する人がヤフオクの影響もあって多いのかもしれませんが、このフリマアプリの場合は、固定の価格での取引が基本になっています。その為、オークションと違って即時即決で物を売り買いすることが出来るようになっているというわけです。勿論、値段に関しては販売者との取引によって値引きをすることも可能なケースがあったりはしますが、アプリによっては値引き交渉自体を禁止しているルールの場所もありますので、それぞれのプラットフォームのルールに従いましょう。
個人間取引の不安点として詐欺のリスクがあるかと思います。実際に商品が届かずに、料金だけ持って行かれてしまったり、その逆に商品は届いたけれど料金が支払われないといったケースがやはりどの個人商取引サービスでもネックになってくることかと思われます。これに関してはやはりリアルのお店の取引と比べると、トラブルに発展するといったケースは確かに多くなるかもしれません。
しかし、フリマアプリで現在公開されているものの殆どはその取引に関してエスクローサービスを導入していることが非常に多いです。これは商品の代金を一度サービス側が受け取り、商品を受け取ったのを確認してから代金が出品者に支払われるという第三者を利用した商取引システムになっております。また、本人確認を出品者に対して必須にしていることも、犯罪抑止に関して効果を現在公開されているフリマアプリの多くは安全に取引ができる仕組みを導入しています。商品代金を一旦サービス提供企業に預け、商品を受け取ってから支払われる仕組みとなっており、お金を払ったにもかかわらず、商品が届かないというトラブルが避けられます。
また、出品者の本人確認を必須にしているサービスも多く、その点も安心に取引ができるポイントとなっています。それではそんなフリマアプリの中から有名なものに関して実際にデータを見てみましょう。
CMなどで話題を呼んでいるフリーマーケットアプリ最大手とも言えるのがこの「メルカリ」です。元ウノウの代表取締役である山田進太郎氏が立ち上げ、サービス公開当初は社名が株式会社コウゾウでしたが、現在は株式会社メルカリとして提供しています。元々は後発でありながらも、2014年に一気に利用者を伸ばし、現在ではアプリのダウンロード数が900万を超え、もっとも利用されているフリマアプリとなっています。月間流通総額は数十億円規模で、1日の出品数は10万品を超えています。出品者の販売価格から10%を手数料としてとっているサービスで、場所を提供すれば商品は用意しなくてもいいという発想をまさに体現しているとも言えます。
最も早い段階でスマートフォンのフリマアプリをリリースしたのが、この「フリル」というアプリです。ターゲットはズバリ女性で、現在は250万ダウンロードを記録している話題のアプリになっています。月間の流通総額は五億円をゆうに超え、現在はブランドショップが個人向けにアウトレットを販売できるサービスにも力を入れており、CtoCからBtoCサービスまで幅広く取り扱えるというところが魅力の一つ、そのBtoC商品を取り扱っているFril公式ショップのお陰で、個人の出品数が伸び悩んでもマネタイズが出来るというリスクマネジメントがされているところが凄いと言わざるを得ないだろう。
無料通話アプリ最大手とも言えるLINE株式会社が提供している個人販売アプリがこのLINE MALLです。販売価格と出品、そして決済手数料においても無料で提供されており、LINEの無料戦術が非常に行きているアプリだとも言えます。ターゲットを特に絞らずに、内部でカテゴリを詳細に分けており、また、アプリ全体で特別なセールを毎日開催しているといったイベント要素などで集客している特色などがあります。そのイベントも誰ともかぶらない最も安い値段でエントリーした人に商品を購入する権利を与えるという逆オークションをなどがあり、どれも毎日開催しているため、思わず見てしまうといった特徴があるのです。さらには共同購入のようなLINEのグループ性を活かした機能や、LINEので繋がっている知り合いやフレンドに対してギフトとして商品を送ることが出来るLINEギフトなども並行して展開しており、その発展具合は今後に期待ができそうです。
楽天が2014年11月に開始したサービスで、楽天フリマから名を取ったフリマアプリになります。楽天市場同様幅広いカテゴリを持ち、特にターゲットを絞らずに運営しています。ネットモールとしては最大手の楽天ですが、正直アプリにかんしては少しボケているところがあり、他のアプリと比べると使いづらい感が否めません。
フィーチャーフォン時代からフリマサービスを運営しているもの、スマフォ向けアプリの開発は遅れてしまったというある意味もっとも先駆けであるのがこのショッピーズというフリマアプリです。ターゲットを女性に絞り、特に若い層の利用を進めているところに特徴があります。これまでに250万もの数の商品が出品され、現在も毎日7000点も追加されていくという未だに人気が衰えていないアプリでもあります。
ファッションブランドを数多く取り扱う通販サイト「SHOPLIST.com」の運営元であるクルーズが提供しているフリマアプリがこのディーリングです。老若男女問わずあらゆる層を対象にして、多彩なカテゴリを扱っており、マルチジャンル式のフリマアプリの後発としてはそこそこ人を集めているアプリになります。また出品料や売れた場合の手数料も無料で提供しているというところも魅力だと言えるでしょう。
どのフリマアプリに関しても、比較的場所を提供し、より使いやすく、より多くの人に使われていくように運営しています。このようなスタンスは実店舗のリサイクルショップにおいても応用が効くような気がしてならないのですが、未だにそのような場所を提供する方式のリサイクルショップは出ていません。そのようなショップをこうしたフリマアプリと連動で行えるようになったとしたら非常に面白いとは思うのですが、そうしたアプリが主催するリアルフリーマーケットのイベントなどは全く開かれる気配がないようなのです。勿論、それらに利点が無いということはわかっていますが、話題性の面から言って、どこかがやればいいのではないかとどうしても思ってしまいます。